「女人阿弥陀様」として知られる秘仏に会う「奈良町の古刹・璉珹寺(れんじょうじ)特別拝観」を2023年9月16日(土)に開催しました。残暑厳しい中でしたが、午前の部、午後の部合わせて30人以上の方がご参加くださり、普段は5月にしかお参りできない秘仏との対面を果たされました。
璉珹寺の本堂
璉珹寺は、今でも地名として残る古代寺院「紀寺」の歴史を継ぐお寺。その深い歴史や宗派について、下間景甫(しもつま・けいほ)住職と、下間さんの長女の夫でオランダ出身の僧侶、法蘭(ほうらん)・ボクホベンさんがご案内しました。
お寺の歴史や宗派について説明する下間景甫住職(右)と法蘭ボクホベンさん
法蘭さんは「浄土真宗遣迎院(けんこういん)派」という珍しい宗派について説明。もともと天台宗で無住だったお寺に、浄土真宗本願寺派の僧侶だった先々代の下間松甫(しょうほ)さんが入られ、先の戦争の混乱期に、志を同じくする少数の寺院と共に独立した経緯などについてお話しくださいました。
ご本尊について語る下間住職(右)
本尊の阿弥陀様について、女性の裸のお姿をしていることや、本物の袴を着用し50年に一度だけ取り換えられることを紹介。下間さんは前回交換した1998年のエピソードを紹介。儀式の少し前、生前の松甫さんが用意してあった新しい袴を試しに阿弥陀様に合わせてみたところ、「阿弥陀様が『これは私のではない』とおっしゃったんです」。どうにもしっくりこず、慌てて西陣織で新調したところ、ぴったりと合ったといいます。「本当にいろいろなことを教えてくださる仏様です」
秘仏の本尊・阿弥陀如来立像
本堂の拝観では、法蘭さんが丁寧にご本尊についてご説明くださいました。
また、ご住職おすすめのお菓子や、特性のびわ茶も振る舞われました。本堂後方の部屋では、前回取り換えた袴を間近にご覧いただくこともできました。
ご住職お手製の入れ物でお菓子とお茶が振る舞われました
1998年に取り換えられた袴を間近に見ることもできました
風も穏やかで暑さがこたえる日でしたが、ご住職と法蘭さんの笑顔いっぱいのおもてなしに、参加者の方々も楽しそうに時を過ごされていました。境内ではススキが揺れ、少しだけ秋の気配も感じました。
ススキが揺れる境内
璉珹寺の皆さま、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
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